【祝・2024年グッドデザイン賞受賞】濱吉美穂さん 看護師の視点から生まれた「わたしのいきかた手帳」

ごきげんさまです。感護師つぼ(@cango_shi)です。看護師の可能性を拓くのに、すでに新しい道を切り拓いている方々の活動を知ることが第一歩だと思っています。

去る2024年10月16日、公益財団法人日本デザイン振興会が主催するグッドデザイン賞2024年の受賞者が発表されました。今回、5000件を超える応募の中から、2年ぶりに看護師が受賞しました。これで看護師の受賞は通算9件目、6人目となります。

受賞されたのは、佛教大学保健医療技術学部看護学科の濱吉美穂さんです。

そこで、今日は濱吉美穂さんを取り上げます!

濱吉美穂(はまよし みほ)

【所属・肩書】佛教大学保健医療技術学部看護学科 准教授

【出 身】関西福祉科学大学, 社会福祉学部
神戸大学総合人間科学研究科人間形成学専攻成人学習論講座博士前期課程修了
大阪市立大学大学院看護学研究科後期博士課程修了
【臨 床】大阪市立大学医学部付属病院
【研 究】Cicely Saunders Institute of Kings college 客員研究員
【教 育】兵庫県立大学看護学部、佛教大学
【資 格】看護師・保健師・社会福祉士
【実 績】グッドデザイン賞2024

看護師の視点から生まれた「わたしのいきかた手帳」:濱吉美穂さんの挑戦と受賞の軌跡

看護師としての経験を活かし、デザインの力で医療と介護の未来を変える。そんな思いを胸に、濱吉美穂さんは「わたしのいきかた手帳」を開発し、見事にグッドデザイン賞を受賞しました。彼女の手帳は、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)を支える新しいツールとして注目を集めています!!

反対された看護の道

濱吉さんのキャリアの始まりは、高校一年生の時に遡ります。ボランティア活動を通じて施設でエレクトーンを演奏し、そこで出会った看護師たちの姿に心を打たれました。「どうすれば看護師になれるのか」と彼女は看護師に尋ね、その道を志すことを決意しました。しかし、親族からは「しんどい仕事だから」と大反対を受け、九州の祖父からも手紙で反対されるほどでした。それでも彼女はその反対をバネに、看護師への道を突き進みました。

わたしのいきかた手帳 創作ストーリー

2009年、濱吉さんは「わたしのいきかた手帳」の第一世代である「My Wish For Life」を開発しました。このティファニーカラーの手帳は、当初は利用者から「書く内容が固く、怖い」といったフィードバックを受けました。そこで彼女は、もっと気軽に、心のゆらぎを記載できるような手帳に進化させることを決意しました。入院時にお薬手帳と一緒に持ち込めるような、生活に溶け込むデザインを目指し、デザイナーと共に開発を進めました。 「わたしのいきかた手帳」は、ACPを行うための重要なツールです。自分の大切にしていることを考え、それを医療や介護の専門職者に伝えるための手帳として設計されています。デザインのポイントは、手元に置いておきたくなるような質感と、自分のこれまでの生き様やこれからの希望を段階的に考えられる仕掛けです。今すぐに何かを決定しなくても、自分の気持ちの行方を見える化できるように工夫されています。

濱吉さんは、「生活の中にデザインがあることが大切」と語ります。彼女の手帳は、単なる記録ツールではなく、人生の道しるべとしての役割を果たしています。看護師としての視点とデザインの力を融合させたこの手帳は、医療と介護の現場に新しい風を吹き込むことでしょう。

歴代グッドデザイン賞受賞ナースと作品

2007年
山本典子① テープホルダー きるる
真田弘美 床ずれ防止車椅子用 エアーセルクッション メディエア

2010年 山本典子② 点滴スタンド フィール
2013年 山本典子③ 点滴スタンド ディーボ
2016年 高丸慶 特別賞:退院支援退院支援ナビ
2017年 麻生優恵 椅子C-Fit-Chair(シーフィットチェア)[トライアングル・キュービック]
2021年 坪田康佑 三角巾・衣料品ケアウィル
2022年 山本典子④ メジャーCocoMedi乳幼児健診用メジャー
2024年 濱吉美穂 ACPわたしのいきかた手帳

公式サイト

濱吉 美穂 | 教員紹介 | 学部・大学院 | 佛教大学

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