ごきげんさまです。感護師つぼ(@cango_shi)です。
看護師の可能性を拓くのに、すでに新しい道を切り拓いている方々の活動を知ることが第一歩だと思っています。
久しぶりに看護の王道キャリアを築き上げられた方を取り上げます。「ナースが開業なんて!」と言われていた時代に「開業ナース」を創り上げた村松静子先生です。
看護学生時代に、ゲストスピーカーで、村松静子先生がいらっしゃった時のことを今でも覚えています。自分が訪問看護ステーションを開業するとは思っていなかったのですが、開業することに決心するブレーキが少なった理由の一つが村松静子先生との出会いがあったと思います。
開業を悩まれている方は、村松静子先生の本を一読することをおススメします。
村松 静子 (むらまつ せいこ)
【所属・肩書】
在宅看護研究センター 代表取締役
看護コンサルタント株式会社 代表取締役
日本在宅看護システム有限会社 取締役
日本赤十字九州国際大学 客員教授
【受 賞】第43回フローレンス・ナイチンゲール記章受章
【出 身】日本赤十字中央女子短期大学
厚生省看護研修研究センター
明星大学人文学部心理教育学科
筑波大学大学院修士課程教育研究科カウンセリング専攻
【臨 床】日本赤十字社中央病院
秋田県立脳血管研究センター
日本赤十字社医療センター
【教 育】日本赤十字中央女子短期大学
日本赤十字看護大学
【資 格】看護師、保健師
【専 門】在宅看護、地域看護、開業ナース
【受 賞】第43回フローレンス・ナイチンゲール記章
ユニークキャリア
訪問看護の制度がない時代。1980年代から訪問看護サービスを提供するための仕組みを試行錯誤とずっと作り続けられてこられた方が村松静子さんです。日本のナイチンゲールといっても過言ではないぐらい、目的のために、手段をいろいろと挑戦をし続けていらっしゃいます。会社を複数お持ちになられていることも、下記にストーリーを引用させて頂いておりますが、出来上がった会社法や制度を活用して複数生まれております。
村松静子さんの活動を参考にして制度が出来上がってきたという流れがあるので、開業ナースと名乗っていますが、訪問看護の世界では珍しい起業家ナースです。
在宅看護研究センター
http://www.nursejapan.com/enurse/
1983年2月6日、ICUで救命された一女性のご主人の一言「助けて下さい」から始まった訪問看護は、当初、11名の同志によるボランティアでした。今は亡き作家・遠藤周作氏の「ボランティアでは無理ですよ。会社でも作ったらどうですか」という後押しを受けて、1986年3月24日「有限会社・在宅看護研究センター」が登記されました。1989年には創業者の本来の思いに近づくために理事会を結成、任意団体に組織替えし、その活動は1992年の新ゴールドプランで策定された老人訪問看護事業のモデルにもなりました。しかし、事業認可は公益法人のみであったため訪問看護ステーションの指定は受けられず、同年、収益部門を株式会社に、又、1995年には、看護活動の将来を見据えて「看護コンサルタント株式会社」を設立しました。これも1つの戦略だったのです。
在宅看護研究センター
時代は大きく変わりました。1999年、民間機関にも医療保険の適用が認められたのです。その時既に、「在宅看護研究センター」は任意団体の研究事業部門を残し、収益事業部門となった2つの会社の総称として動いていました。そして2005年、新会社法に則り、「日本社会に密着した専門的な看護を広く提供できるようになるために」という当初の趣旨を鑑み、有限責任事業組合(LLP)にその姿を替えたのです。
在宅看護研究センター
「ちくしょう! 俺はもっと元気なうちに君たちに会いたかったよ。そうしたら何かしてあげられたかもしれないんだ」。これまで多くの方々のご助言・ご支援があったからこそ続いてきた「在宅看護研究センター」です。このことは決して忘れてはおりません。
在宅看護研究センター
看護コンサルタント株式会社
http://www.nursejapan.com/nci/
日本在宅看護システム有限会社
http://www.e-nurse.ne.jp/ehns/main.html
日本赤十字九州国際大学
https://mottocross.jrckicn.ac.jp/
フローレンス・ナイチンゲール記章
フローレンス・ナイチンゲール記章は、その名の通り、看護の始祖とされるフローレンス・ナイチンゲール氏を記念して創設されました。1907年および1912年の赤十字国際会議にて、顕著な功績を挙げた看護師を顕彰するために授与することが決定され、1920年、ナイチンゲール氏の生誕100周年を記念して初めて授与されました。
この記章は、鍍銀製のアーモンド型メダルで、表面にはフローレンス・ナイチンゲール氏の像とその生涯を示す「1820~1910年フローレンス・ナイチンゲール氏記念」の文字があり、裏面には受章者の名前と「博愛の功徳を顕揚し、これを永遠に世界に伝える」というラテン語の言葉が刻まれています。
この記章は、平和時もしくは戦時において顕著な働きを見せた保健師、助産師、看護師、または篤志看護補助者を対象としています。その資格は以下のいずれかを満たしていることが求められます。
- 傷病者や障がい者、または紛争や災害による犠牲者に対して、果敢に献身的な看護活動に従事した者。または公衆衛生や看護教育の分野で、模範となるような活動に従事した者。
- 国内災害救護、国際活動等の事業において、果敢かつ献身的に活動し、推薦に値すると判断される者。
- 献血思想の普及啓発、老人看護及び障がい者への理解促進を含む保健衛生活動、看護教育活動、救急法等講習普及事業等においても、献身的に永年その業務に携わり、その実績から高い評価を得られると判断される者。
フローレンス・ナイチンゲール記章は、看護師の中でも特に優れた業績を上げ、人々の生活と健康を向上させるために献身的に活動する人々への最高の賛辞とされています。その受賞者たちは、看護師としての専門性と人間性、そして社会への奉仕を通じて、人々の健康と生活の質を向上させるために特筆すべき業績を上げてきました。
その受賞者たちは、その名が示す通り、フローレンス・ナイチンゲールの精神を継承し、その理念を現代社会において体現しています。彼女たちは、困難な状況下でも個々の患者に対して最高のケアを提供し、感染症の予防と管理、病気の早期発見と予防、健康教育、そして看護職の尊厳と価値を高めるために、自身のスキルと知識を用いています。
フローレンス・ナイチンゲール記章の受章者たちは、看護の価値を世界に広め、看護師が果たす役割を認識させることによって、全世界の健康の向上に貢献しています。その業績は、看護師としての専門性、献身性、そして人間性の最高の象徴とも言えます。
フローレンス・ナイチンゲール記章の受章は、一人ひとりの看護師が可能性として持つ力を示し、看護師が社会全体の健康と福祉にどのように寄与できるかを示す強力なメッセージを送っています。これは看護師自身、またそれを目指す人々にとって、看護の専門性と責任を認識し、それを追求するための大きな刺激となります。