ごきげんさまです。感護師つぼ(@cango_shi)です。
看護師の可能性を拓くのに、すでに新しい道を切り拓いている方々の活動を知ることが第一歩だと思っています。
テレビに登場したナース、ドラマに関してはまとめたことがありましたが、ドキュメンタリーに登場したナースは、まとめたことがなかったことが分かったので、取り上げていくことにします。第一弾としては、プロフェッショナル仕事の流儀(シーズン1エピソード163)に登場した大谷るみ子さんを取り上げます!
写真は、http://jmwa-ishokai.com/interview/interwiew2.phpより引用
大谷 るみ子(おおたに るみこ)
【所属・肩書】大牟田市認知症ライフサポート研究会代表
社会福祉法人東翔会グループホームふぁみりえホーム長
特定非営利活動法人福岡県高齢者グループホーム協議会 代表理事
【臨 床】社会福祉法人東翔会グループホームふぁみりえホーム、医療法人東翔会東原整形外科病院(元看護部長)
【教 育】福岡県立大学大学院老年看護学研究科、熊本保健科学大学認定看護師教育課程
デンマークフュン県社会保健介護士養成学校日本実習担当
【資 格】看護師
【専 門】認知症
【実 績】2007年:日本認知症ケア学会読売認知症ケア奨励賞
2013年:医療の質・安全学会第7回新しい医療のかたち賞受賞
ユニークキャリア
大牟田市の街づくりにおける一つの重要な軸が、認知症になっても安心して暮らせる街作りです。その取り組みの中心にいるのが看護師であり、医療と福祉の架け橋となる存在、大谷るみ子さんです。今回は、その豊富な経験と独自の視点を活かした「認知症とともに生きる」についての彼女の仕事の流儀をご紹介します。
大谷さんは1990年から東原整形外科病院の看護部長を務め、その間にデンマークの福祉研修に毎年参加するなど、海外の先進的な介護技術を学び続けてきました。また、1998年からはデンマークフュン県社会保健介護士養成学校の日本実習担当となり、海外の知識を日本の現場にもたらす役割も果たしてきました。
そして2001年、社会福祉法人東翔会グループホームふぁみりえのホーム長に就任。同年には、認知症ケア研究会(2013年に認知症ライフサポート研究会に改称)を設立し、代表を務めるなど、認知症ケアに関する様々な取り組みを展開してきました。その一方で、地元福岡県大牟田市と協働し、地域づくりにも深く関わってきました。
大谷さんは認知症ケアにユーモアとファンタジーを取り入れることを提唱し、それは自身が監訳した「デンマーク発痴呆介護ハンドブック」にも反映されています。また、彼女が手掛けた絵本「いつだって心は生きている~大切なものを見つけよう」は、小中学生を対象に認知症について理解を深めるための素晴らしい教材となっています。
いくつもの賞を受賞し、テレビ番組「プロフェッショナル仕事の流儀」に出演した大谷さんは、福岡県立大学大学院老年看護学研究科や熊本保健科学大学認定看護師教育課程の非常勤講師も務め、次世代の看護師たちに自身の経験と知識を伝えています。認知症施策推進会議の副委員長としても活躍する大谷さんは、認知症ケアの専門家としてだけでなく、地域全体を巻き込んだ認知症ケアの推進にも尽力しています。
大谷さんが活躍する福岡県大牟田市は、認知症になった人々が安心して生活できる環境をつくる取り組みを積極的に進めています。その一環として、彼女は「はやめ南人情ネットワーク」の世話人として、認知症SOSネットワークの構築にも取り組んでいます。
大谷さんの豊かな経験と多様な活動は、彼女が看護師としての専門性と人間性を兼ね備えた素晴らしいキャリアを築いてきた証です。彼女の仕事の流儀からは、認知症の人々とその家族、そして地域社会全体を支えるための深い思いやりと尊重が感じられます。
看護師として、また地域と連携した活動を通じて、大谷さんは認知症の人々が安心して暮らせる社会の実現に向けた大切な役割を果たしています。彼女の仕事は、今後も多くの人々にとっての希望と示唆を提供し続けることでしょう。