ごきげんさまです。感護師つぼ(@cango_shi)です。
看護師の可能性を拓くのに、すでに新しい道を切り拓いている方々の活動を知ることが第一歩だと思っています。
思いついた時に、思いついた人を紹介している当ブログ、今回は医療者と患者の2つの視点を発信している車イスナースの三井和哉さんを取り上げます!
ナイチンゲールが病床に臥せった時に、「私は患者の立場から看護を学びます。そして、それを伝えていきます。」といった名言を体現されている方です。
今回、思いついたきっかけは、自分自身がこのブログのYouTube版、Discover Active Nurseチャンネルを開設して、YouTubeの世界に触れたからです。このことがきっかけでYouTubeをやっているナースを改めて思い返して、いろいろなナースがいますが、その中でも、三井和哉さんじゃなきゃ発信できない内容だよなぁと改めて尊敬したからです。
写真はYouTubeから拝借
三井 和哉(みつい かずや)
【所属・肩書】玉野総合医療専門学校 非常勤講師
【資 格】看護師、保健師
【専 門】脊髄損傷
ユニークキャリア
車椅子ナース、三井和哉さん – 医療者と患者、2つの視点から看護を再定義
今回私たちが紹介するのは、医療者と患者の2つの視点を発信している車椅子ナース、三井和哉さん。ナイチンゲールが病床に臥せった時に、「私は患者の立場から看護を学びます。そして、それを伝えていきます。」といった名言を体現されている三井さんの活動についてお伝えします。
三井さんは元々運動神経が良く、特にバスケットボールにおいては全国大会に出場するほどの腕前を持っていました。しかし、その活動中に腕を骨折し、その際に理学療法士に世話になった経験から医療業界に興味を持つようになりました。高校卒業後は看護師の養成校に進学し、2012年に看護師と保健師の資格を取得。そして鳥取県の病院に就職し、新卒1年目から重症患者さんの看護にあたることとなりました。
しかし、2012年の夏、三井さんは海での事故により頸髄損傷(C6BⅡ)を受け、自分が働いていた病院で治療を受けるという経験をしました。新卒採用したばかりだったために、退職を選択しなければいけなくなりました。その後、脊損専門の病院に転院し、1年ほどの自宅療養を経て、2015年に再び看護師としての勤務を再開しました。
自身が患者として過ごした経験は、三井さんに新たな視点をもたらしました。その経験から、看護学生やリハビリ学生、そして脊髄損傷を持つ人々やその家族に対する情報発信や教育に力を入れていきます。その活動は、2019年に玉野総合医療専門学校の看護学生向けの授業を持つようになったことで始まりました。そして、2021年からはリハビリ学生の授業も担当するようになり、その活動範囲を広げていきました。
さらに2021年には、三井さんはYouTubeチャンネル「みついちゃんねる」を開設しました。このチャンネルでは、5〜10分程度の短編動画を通じて、脊髄損傷の人々の生活や身体機能の評価方法、自助具やトイレの紹介、移乗や更衣動作、心理面や性に関する話題など、幅広い情報を発信しています。
三井さんの授業を受けた学生たちは、授業の復習としてこれらの動画を見ることで、「理解がさらに深まった」「脊髄損傷に興味を持った」といった声を寄せています。彼の活動により、医療者だけでなく、患者とその家族にも直接役立つ情報が広まっているのです。
三井さんのストーリーは、困難な状況を乗り越え、その経験を活かして他人のために役立つ方法を見つけ出すことができるという希望を与えてくれます。医療者と患者、この二つの視点から看護を考えるという彼の姿勢は、看護というフィールドに新たな視点をもたらすとともに、患者とその家族に対する理解と共感を深める助けとなっています。