ユニーク看護師 河瀬 希代美 EN Room代表×ガンサバイバー×研究者

ごきげんさまです。感護師つぼ(@cango_shi)です。

看護師の可能性を拓くのに、すでに新しい道を切り拓いている方々の活動を知ることが第一歩だと思っています。

Twitterで仲良くさせて頂いている河瀬 希代美さんを今回はご紹介します!

河瀬 希代美(かわせ きよみ)

【所属・肩書】国立がんセンター研究所 研究補助員
聖路加国際大学 特任助教
EN Room 代表

【出 身】宮本看護専門学校、放送大学、東京大学大学院・医学系研究科
【臨 床】新東京病院:脳神経外科・整形外科病棟、順天堂大学医学部附属順天堂医院:ICU・心臓血管外科・循環器内科
国立癌研究センター中央病院:個室病棟・患者サポート研究開発センター
(看護相談外来・周術期看護外来・地域医療連携室・退院支援・相談支援センター)
【教 育】聖路加国際大学
【資 格】看護師

ユニークキャリア

河瀬さんは、専門学校を卒業後、21歳で看護師としてのキャリアをスタートさせました。その後、家族の都合で2年間をアメリカのイリノイ州で過ごすこととなり、そこでイリノイ大学の他分野の留学生との交流を通じて様々な経験を得ました。彼女は、看護師の仕事は現場の業務に留まらず、そこで起こる問題や課題を言語化し、必要時は制度や政策の改革に向けて現状を理論的に伝えていく必要があると感じました。そのための手段として、看護研究が最もいい方法であると考えました。

帰国後、病院で看護師として働きながら大学進学を目指し、放送大学で単位を取得し学士の学位を授与されました。同時に、苦痛と混乱の中、緊急入院をする終末期の患者さんや家族に対するケアの問題を感じ、プライベートな時間を用いて看護研究に取り組みました。研究成果は緩和医療学会誌に原著論文として投稿する偉業を果たしました。(研究タイトル:積極的治療終了後に在宅生活を中断したがん患者の家族が抱える困難)この時の彼女の最終学歴は専門学校卒であり、論文の書き方は先行研究を見ながら学んだそうです。

そして、独学で東京大学大学院に合格されました。しかし、入学直前の3月、彼女は左気管支癌と診断されます。勇敢に手術を受け、左肺全摘術を経験した後、手術からわずか1週間後には東京大学大学院に入学しました。その後、2回の陽子線治療を受けながら、5歳児の子育てと、大学院での研究とを両立し、彼女は履修期間を延長させることなく、2年間で修士論文を完成させて、今年の春に大学院を卒業しました。

現在は国立がんセンター研究所で研究補助員としてエビデンスに基づいた最新のがん情報を伝えるために、情報コンテンツ作成に携わっています。また、聖路加国際大学で特任助教として、臨床経験とがん患者としての経験を活かし、看護学生の教育にも関わっています。

そして、もう一つ、河瀬さんのユニークな活動があります。

河瀬さんは、17年間の臨床看護師としての経験を通じて、コミュニケーションの齟齬による医療者間、また患者さんと医療者など、様々な人間関係のトラブルに直面してきました。誰一人として悪い人はいないのに、些細な誤解や認識のズレにより、対人関係において怒りや悲しみが生まれることに、心を痛めてきました。一方で、医療者間の効果的なチーム連携により、末期癌患者さんに対する困難なケアを達成してきた経験もしてきました。

河瀬さんは東京大学大学院でのヘルスコミュニケーションの授業で、自己と他者の認知スタイルの違いを知るMBTI®(Myers-Briggs Type Indicator)のメソッドを学びました。MBTI®︎を活用することにより、人々の性格タイプの違いにより起こるコミュニケーションの齟齬を防ぎ、個々の個性や強みを活かしたチームビルディングに有用であることを知りました。

そして彼女は、MBTI®の認定ユーザーとして2023年3月にEN Roomを起業し、人々の自己理解を助け、他者との建設的な人間関係の構築に貢献すべく活動をしています。最近では、ヘルスケアの領域だけでなく、一般企業に向けた研修の依頼も入ってきているそうです。

今後は、国立がん研究センターと聖路加国際大学での仕事に加え、EN RoomではMBTI協会と連携し、在宅医療・介護従事者のチームにMBTI®︎を活用することによるチームビルディング構築に関する介入研究にも取り組んでいく予定だそうです。

河瀬さんの取り組みは、看護師としてのキャリアの活かし方に新しい示唆を与えてくれるかもしれません。そして、片肺を無くして以前のような体力仕事ができなくなった今も、自分の経験とキャリアを活かして、自分に出来ることに前向きに取り組んでいく姿勢は、多くの人の刺激になるでしょう。

河瀬希代美さんの活躍に期待し、彼女の研究や週末起業活動の成果に注目していきましょう。彼女のユニークな経験や専門知識は、看護や医療分野において重要な貢献を果たすことでしょう。

心に残ったこと(看護師に伝えたいこと)

心に残ったことなので、追記させてください。

専門卒のおばちゃん看護師もこんな事ができるのか!

と伝えたいとお話される河瀬さん
当ブログと想いが一緒で、とても心に残りました

公式アカウント

https://en-room.amebaownd.com/

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