ごきげんさまです。感護師つぼ(@cango_shi)です。
看護師の可能性を拓くのに、すでに新しい道を切り拓いている方々の活動を知ることが第一歩だと思っています。
感護師つぼは、現在、国際医療福祉大学医療福祉ジャーナリズム分野の博士課程に進学しています。母校の名物ナースを取り上げていない!ってことに気が付きました。その中でも、今回は2012年のウーマンオブザイヤーに輝いた、災害支援ナースの石井美恵子さんを取り上げます。彼女は、医学博士(危機管理医学・医療安全学)の肩書を持ち、世界各地で発生する災害時に適切な医療援助を提供するだけでなく、教育プログラムの開発や評価にも尽力しています。石井さんの卓越したリーダーシップと献身的な活動が、多くの人々を救い、その成果は国内外で高い評価を受けています。彼女の素晴らしいキャリアを振り返りましょう。
写真は、国際医療福祉大学のサイトより拝借
石井 美恵子 (いしい みえこ)
【所属・肩書】国際医療福祉大学 教授
【出 身】新潟県厚生連中央看護専門学校
北里大学大学院(看護学修士)
富山大学大学院 危機管理医学・医療安全学(医学博士)
【教 育】日本看護協会看護研修学校,北里大学、東京医療保健大学、国際医療福祉大学
【臨 床】北里大学病院救命救急センター、新潟県厚生連豊栄病院、東京医療センター
【経 験】日本災害医学会理事、JICA国際緊急援助隊医療チーム総合調整部会アドバイザー、災害人道支援会(HuMA)アドバイザー、外務省女性参画推進室女性・平和・安全保障に関する行動計画評価委員、東京都防災会議委員、東京都防災・仮住まい検討会委員
【資 格】看護師
【実 績】日経WOMAN「ウーマ ン・オブ・ザ・イヤー2012」大賞
ユニークキャリア
石井美恵子さんは、1995年に米国で危機管理システムや災害医療を学び、その後も教育や医療支援活動に従事してきました。彼女の主な研究テーマは業務継続計画の策定と評価、危機管理とリーダーシップ、災害医療に関する教育プログラム開発とその評価、避難所対策と災害(震災)関連死予防などです。
石井さんは、日本災害医学会理事、JICA国際緊急援助隊医療チーム総合調整部会アドバイザー、災害人道支援会(HuMA)アドバイザー、外務省女性参画推進室女性・平和・安全保障に関する行動計画評価委員、東京都防災会議委員、東京都防災・仮住まい検討会委員など、多くの重要な役職を務めています。これらの実績が評価され、2012年には日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。
石井さんの災害支援活動は多岐にわたり、03年イランバム地震、04年スマトラ沖地震・津波災害、07年ジャワ島中部地震
、08年中国・四川大地震、11年東日本大震災、15年ネパール中部地震、16年熊本地震、18年西日本豪雨災害など、国内外の多くの災害現場で医療援助を提供してきました。彼女の迅速かつ的確な判断力とリーダーシップは、多くの命を救い、被災者たちに希望を与えることに繋がっています。
石井さんは今後も国際緊急援助隊医療チームとして活動を続けるとともに、看護師や医療従事者への教育プログラム開発にも力を注いでいます。また、彼女の知見は避難所対策や災害関連死予防にも大きく貢献しており、彼女が築き上げたネットワークを通じて、国内外の災害対策がより効果的に行われるようサポートしています。
石井美恵子さんのユニークなキャリアは、看護師や医療従事者だけでなく、多くの人々に勇気と希望を与えています。彼女の経歴や功績は、人々が困難な状況でも希望を持って前向きに取り組むことの大切さを示しています。今後も石井美恵子さんの活動に注目し、彼女のような献身的でリーダーシップに溢れた看護師が増えることを願っています。
看護師になったきっかけ
男尊女卑が根強く残る田舎での幼少期の経験にあります。彼女は長男が親から期待される環境で育ち、高校進学時に「大学にやるつもりはない。女に学問は必要ない」と宣言されました。自立するために勉強するしかないと思っていた石井さんは、閉鎖的な家庭から抜け出す方法を模索しました。
石井さんは、「どの職業なら父が女の子らしいと思うのか」と悩んだ末に看護師を選びました。彼女は男性に依存する人生を選びたくなく、全寮制の看護学校に進むことを決めました。その後、彼女は看護師として働く中で様々なジレンマを抱えながら成長していきました。
看護師として働いて3年が経った頃、石井さんは患者の急変に対応できないことがあることに屈辱感と挫折を感じました。患者は命を救ってほしいと思っているのに、それができないことが一人前ではないと感じた彼女は、救急看護を極めるために認定看護師の資格を取得しました。
石井美恵子さんが看護師になった経緯は、家庭環境や社会の価値観からの逆境を乗り越えたストーリーです。彼女は、この経験を通して自立し、自分の力で人々を助ける道を歩んでいます。石井さんの勇気ある決断と努力が、今日の彼女を支える原動力となっていることは間違いありません。
公式サイト
https://www.iuhw.ac.jp/daigakuin/staff/cat/cat1242/5026.html