ごきげんさまです!感護師つぼ(@cango_shi)です。
看護師の可能性を拓くのに、すでに新しい道を切り拓いている方々の活動を知ることが第一歩だと思っています。2歩目
いきなりですが、私たち看護師って、「人の命を守る」という崇高な使命を担っている分、どこか自分のキャリアの可能性を無意識に狭めてしまっていることはありませんか?「看護職だからこうあるべき」「ナースだから私には無理」って、本当はもっと多様な道があるのに、決めつけている気がするんです。
今日取り上げるのは、国際的なミスコンテスト『ミス・プラネット』の日本大会ファイナリスト、杉山佳穂さんです。
明後日、9月29日に本選が行われるので、応援の気持ちで今回ブログを書かせていただいています。

写真は、公式インスタグラムより拝借 https://www.instagram.com/_kahosugiyama_/
彼女は現役の看護師でありながら、美の舞台で「医療格差をなくす」という大きなテーマに挑んでいます。彼女の言葉からは、私たち看護の世界が持つ、計り知れない可能性と、より自分らしく輝くヒントが見えてきます。
看護師・ナースの「キャリア」は病棟だけ?一般論に潜む“もったいない”視点
看護師という仕事は、本当に誇り高いキャリアですよね。人の命を預かり、最も辛い瞬間に寄り添う。だからこそ、「現場で頑張るのが一番偉い」とか「看護職は泥臭い仕事だから華やかな世界とは無縁」といった、ある種の”一般論”が私たちの間に存在していると思うのです。
ナースの誰もが一度は聞いたことがあるアドバイスとして、「まずは3年、病棟で看護の基礎をしっかり学べ」というものがあります。これは、看護の専門性を高める上で非常に大切な考え方です。基礎がなければ応用はできませんから、私もこの意見自体を否定するつもりは全くありません。
しかし、このフレーズが多用されることで、「それ以外の道を選んだらダメなの?」という心理的負担や、「私のキャリアは病棟経験の年数でしか語れないのかな」という閉塞感を生んでしまうことも、また事実ではないでしょうか。例えば、ずっと病棟勤務をしてきた人が、新しい分野に挑戦しようと一歩踏み出した時に、「現場を知らないくせに」という無言のプレッシャーを感じてしまうようなことって、正直ありますよね。
杉山さんのように、「看護師とコンテスタントという2つの立場」から社会に貢献しようとすることは、従来の看護職のキャリアの枠を超越しているからこそ、私たちに「もっと自由でいいんだ」という気づきを与えてくれるのです。
「誰かの役に立ちたい」という看護師の本質が、世界を救う力になるということ
杉山さんがご自身を表す言葉として選んだのは、「Compassionate(思いやり)」でした。彼女が「私が生きる上で常に考えていることは**“誰かの役に立ちたい”ということです」と語っているのは、まさに私たちナース**の職業倫理の核心そのものだと、私は思うのです。
この「思いやり」は、単に目の前の患者さんに優しく接するという意味だけではありません。彼女が「世界規模での一次救命処置(BLS)の普及格差」という、一見すると壮大すぎるような問題に関心を持っていることからも分かるように、看護の知識と経験を社会全体に還元しようという、非常に大きな視野を持った「思いやり」なのです。
ここで、私たちが感じやすい葛藤を整理させてください。私たちは「もっと患者さんのために」と思う一方で、「目の前の業務で手一杯」という現実に日々直面しています。その矛盾や不安を抱えながら、「本当に自分は誰かの役に立てているのだろうか」と悩むことも少なくありません。
でも、看護師として培った「誰かを思いやる力」は、どんな分野でも、どんなキャリアを歩もうとも、必ず社会にポジティブな変化を生み出す核となる力だと、私は信じています。例えば、あなたが職場で自然とやっている「この点滴、もうすぐ終わりそうだから次を準備しておこう」という先読みの行動や、「あの患者さん、少し不安そうだから声をかけてみよう」という優しい気づきは、BLSの普及活動と同じくらい、その人の命や心に影響を与えていることだと思うのです。難しいことではありません。
とはいえ、新しい挑戦は怖い。それでも「笑顔」が武器になる理由
とはいえ、杉山さんのように、現役看護師としてコンテストの舞台に立つというのは、周りの視線も気になりますし、正直「看護職としてどうなの?」という声が聞こえてきそうで、怖いと感じるナースの方もいるかもしれません。新しいことに挑戦する時の不安は、誰にでもあるものだと思います。
そんな時に、ぜひ注目してほしいのが、杉山さんのチャームポイントです。彼女は「笑顔!!」と答えた上で、「笑うと無意識に鼻がぴくぴく動いてしまうところ」とユーモアを交えて表現しています。
これは、難しい概念の説明をした後に、あえて簡単で分かりやすい、短めの文を置くことで読者に安心感を与えるライティングのテクニックに似ていると私は思います。つまり、社会変革という大きなテーマを語る一方で、親しみやすい「笑顔」と「ぴくぴく鼻」という人間的な魅力を提示することで、「彼女は手の届かない存在ではない」と感じさせてくれているのです。
看護師として積み重ねた専門性と、「地元のサッカー少年団で男子に負けじとボールを追いかける」ような根気強さ、そして人々に安心感を与える「笑顔」が組み合わさることで、彼女は単なるコンテスタントではなく、社会に影響を与えられる「オピニオンリーダー」へと進化していくのではないでしょうか。彼女が憧れるナイチンゲールのように、困難な環境でも信念を貫き、新しい価値を広める姿は、きっと多くの看護職の背中を押してくれるはずです。
というわけで、看護師・ナースの可能性を広げる新しい視点
看護職は、人の命を救うだけでなく、社会を変える力を持っています。杉山さんが示してくれたのは、キャリアとは一つの道筋を辿ることではなく、看護師としての核となる「思いやり」と「専門性」を軸に、多様な世界で自分らしく輝くことだ、という新しい視点だと私は考えます。
「明確な解決策」はすぐには見つからないかもしれません。でも、ナースである私たち一人ひとりが、自分の「誰かの役に立ちたい」という本質的な想いを信じ、自分の笑顔を大切にすること。それが、今の状況を打破し、心が楽になる第一歩になるのではないでしょうか。
「ファイナルを楽しむ」と語る杉山佳穂さんのように、私たちも自分の看護のキャリアを、もっとポジティブで楽しいものとして捉えていきましょう。
静岡から世界へ、そして病棟から社会へ。彼女の活躍は、間違いなく看護師全体の可能性を広げてくれると私は確信しています。ぜひ、皆さんも応援してくださいね。そして、あなたの「誰かの役に立ちたい」という思いを、もっと自由に表現していきましょう。