ごきげんさまです。感護師つぼ(@cango_shi)です。
看護師の可能性を拓くのに、すでに新しい道を切り拓いている方々の活動を知ることが第一歩だと思っています。
業界のハラスメントの問題提起や職業差別反対活動など様々な社会運動をされている吉川はすみんさんを今回取り上げます。
写真はツイッターより拝借
吉川蓮民(よしかわ はすみん)七堂 蓮未、藤本 香澄
【所属・肩書】合同会社ウェルネスハーモニー代表
【出 身】大成高等学校、防衛医科大学校看護学科
陸上自衛隊衛生学校BOC(Basic Officer’s Course、看護官幹部初級課程)
【臨 床】自衛隊福岡病院
【経 験】防衛省職員(特別職国家公務員)、風俗店、セクシー女優
世田谷区議会議員選挙に政治家女子48党から出馬(1263票獲得)
【資 格】看護師、保健師
公式アカウント
看護師から社会運動家へ:吉川はすみんの軌跡
看護師として自衛隊で勤務していた吉川はすみんさんは、現在は社会運動家として活躍しています。彼女のユニークな経歴と、看護師の職場環境に対する彼女の主張は、注目に値します。
看護師としてのキャリア
吉川はすみんさんは、防衛医科大学校看護学科に首席で入学するという輝かしいスタートを切りました。卒業後、自衛隊福岡病院に配属され、将来有望な看護官としてのキャリアが期待されていました。 しかし、現実は厳しいものでした。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う病棟再編の中で、吉川さんは「大卒イジメ」とも呼べる状況に直面しました。過酷な勤務環境と人間関係のストレスにより、適応障害を発症するほどの苦境に立たされたのです。 状況改善を期待して夜勤のない発熱外来へ異動しましたが、そこで待っていたのは更なる試練でした。先輩看護師によるパワーハラスメントが横行し、患者の安全さえも脅かされる事態が発生しました。吉川さんが担当していた患者が、何の連絡もなく別の部屋に移されるという事態が起こったのです。 一般の病院であれば、患者の安全を危険にさらすこのような行為は厳しく罰せられるはずです。しかし、自衛隊の独特の文化の中では、「一日でも先に入隊した者が正しい」という暗黙の了解が存在し、吉川さんは理不尽な状況に耐えることを強いられました。 このような環境に疑問を感じ、自己の成長や患者のケアよりも組織の論理が優先される現状に失望した吉川さんは、ついに看護師を辞める決断をします。それは、自身の信念と専門性を守るための、勇気ある選択でした。
自衛隊退職と風俗店での勤務~退職のための資金づくりで、風俗店へ~
理不尽な職場環境に嫌気がさした吉川さんは、自衛隊を退職することを決意しました。しかし、防衛医科大を卒業後6年以内に自衛隊を退職した場合、400万円の学費返還義務が発生しました。 お金を工面するために、吉川さんは風俗店で働くことを選択しました。彼女は、この経験が「救い」になったと語っています。風俗店で働いた後、吉川さんはAV女優としてスカウトを受けました。彼女は、有名女優を輩出する事務所に所属し、デビューしました。
社会運動家としての活動
セクシー女優として活動する傍ら、吉川さんは社会運動家としても精力的に活動しています。彼女は、職業差別に反対するパレードに参加し、AV産業の適正化を訴えました。 また、吉川さんは政治団体「自由次世代党」の設立にも関わり、自ら世田谷区議会議員選挙に政治家女子48党から出馬しました。この選挙では1263票を獲得しましたが、当選には至りませんでした。2024年の世田谷区区議会議員選挙では、3640票が当選の分かれ目でした。 その後、吉川さんは国民民主党の事務所スタッフとして活動し、社会運動家としての活動を続けています。
吉川はすみんさんは、看護師から社会運動家へと転身したユニークな経歴を持つ人物です。彼女の経験と主張は、看護師の職場環境や社会問題に対する認識を深める上で貴重な示唆を与えてくれます。 吉川さんの経験は、医療現場、特に自衛隊の医療体制が抱える深刻な問題を浮き彫りにしています。組織文化の改革、パワーハラスメント対策、そして何より患者中心の医療の実現が急務であることを、彼女の軌跡は私たちに強く訴えかけています。 看護師としてのキャリアを諦めざるを得なかった吉川さんですが、その後も社会問題に取り組む活動家として、医療や労働環境の改善に尽力しています。彼女の経験と勇気が、より良い医療環境の実現への一歩となることを願ってやみません。