【国際看護白書2025】世界の看護はどこへ向かうのか?~“私たちの現場”と“世界の課題”がつながった日~

ごきげんさまです。感護師つぼ(@cango_shi)です。

看護師の可能性を拓くのに、すでに新しい道を切り拓いている方々の活動を知ることが第一歩だと思っています。2歩目

実際に自分のキャリアを考える上では、看護に関係する環境を知ることも重要だと思っています。
今日は、看護師の皆さんにぜひ知ってほしい、とっておきのレポートをご紹介します。

それは、WHO(世界保健機関)が5年ぶりに発表した「国際看護白書2025」
この白書、想像以上に「今の日本の看護」とシンクロしていて、読んでいてゾクっとしました。


「あと5年」で何を変えられるか?

~世界で1,100万人の看護師が足りない~

この白書、まず冒頭から衝撃的な数字が並びます。
2030年に必要とされる看護師数のうち、1,100万人が足りないと予測されているのです。しかも、その7割はアフリカと中東に集中。

「世界のどこかの話でしょ?」と思いたくなりますが、実は高所得国(日本含む)に看護師が偏って多すぎるという逆の課題もあるんです。
つまり、世界規模で“看護のアンバランス”が進んでいるということ。


学士を取っても報われない?

~教育への投資と現場のリアル~

また、教育に関する分析も鋭い。
多くの国が3~4年制の学士課程へ移行していますが、「学んでも給料が変わらない」「役割が増えない」というジレンマが明らかにされていました。

日本のCNS(専門看護師)やCN(認定看護師)にも、似たような空気、ありますよね。
せっかく時間もお金もかけてステップアップしても、「制度と評価が追いついていない」現実。


見落とされがちな「心の安全」

そしてもう一つ。
世界の看護職のメンタルヘルス支援体制が整っている国は、たったの42%
「看護師の心のケア」が、世界中で後回しにされている現状が見えてきます。

「残業」「夜勤」「人手不足」だけでなく、“気持ちが折れる”ことが退職理由になる時代
メンタルのサポート体制が整っている職場が、今後ますます求められるでしょう。


リーダーはいる。でも、声が届かない。

日本ではあまり聞きなじみがないかもしれませんが、WHOは各国にGCNO(政府看護責任者)の設置を推奨しています。
実際に「ポストがある国」は82%にもなるのですが、「実質的な影響力がない」という国も多い。

これは他人事じゃないですよね。
私たちの現場でも、「師長の意見が経営層に届いてないな…」って感じたこと、ありませんか?


“あなたの現場”が、世界とつながっている

この白書が教えてくれたのは、日本の看護の悩みは、実は世界共通の課題だということ。
若手が育たない、学んでも報われない、声が届かない、心が疲れている――。

そんなモヤモヤに向き合うことは、世界の看護の未来を創る第一歩になるかもしれません。
一人ひとりの看護師の声が、制度や政策を動かす力になる。
そんな希望を、私はこのレポートから受け取りました。


もしよかったら、このブログを読んでくださったあなたも、白書の本文をちらっとでも覗いてみてください
難しいところは飛ばして、図や数字を眺めるだけでも、きっと何かが見えてくると思います。

👇WHO公式サイト(英語/PDF)
State of the World’s Nursing 2025(WHO)

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次回は「ナースの未来と気候変動」について書いてみようと

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