ごきげんさまです。感護師つぼ(@cango_shi)です。
看護師の可能性を拓くのに、すでに新しい道を切り拓いている方々や、世界での看護の活動を知ることが第一歩だと思っています。
看護師で公認会計士の資格を持たれている方は、渡邉尚之さんが有名ですが、他にもいらっしゃいます。今回は、そんな看護師×公認会計士の藤田 佐愛子さんを取り上げます!
ユニーク看護師 看護師×公認会計士×税理士 渡邉 尚之 (cango.blog)

写真は、みそうパートナーズ株式会社のWantedlyより拝借
藤田 佐愛子(ふじた さえこ)
【肩 書】みそうパートナーズ株式会社
【出 身】慶應義塾大学、東京大学
【資 格】看護師、保健師、公認会計士
ユニークキャリア
看護師になるきっかけ
藤田さんが高校生の時、彼女は自分自身に問いかけました。「資格を持って働くべきか、それとも持たずに働くべきか?」その結果、彼女は資格を持つ職業、看護師を選びました。
資格を持つことの重要性に気づいたきっかけは、実家の家業を幼い頃から見ていたことにあります。両親は個人事業主としてガラス屋を営み、いつも忙しく、プライベートと仕事の境界線はほとんど存在しなかったそうです。地元は台風が多い九州。ガラスが割れてしまったというオーダーがあれば、家事やプライベートは後回しにして仕事に集中していました。そんな両親の働きぶりを見て育った藤田さんは、「個人事業主やお店の商売は大変な仕事だ」というイメージを持つようになりました。
一方で、企業勤めについて考えた時、彼女は何となく安定感がないと感じました。そんな思いから、資格を持って働くことへの志向が強まったのです。
自分にとって身近な資格職といえば、看護師や医者などの医療系が思い浮かびました。資格取得の難易度などを考慮した上で、看護師を目指すことに決めたのです。
看護師からGO OUTする
看護師から公認会計士へ:変わりゆくキャリアパス
看護師の資格を取得した後、藤田さんは地域看護に関わりたいと感じ、さらに保健師の資格も取得しました。ただ、地域看護を深く理解するには病院での実務経験が必要だと感じ、まずは病院で働くことにしました。
病院では神経内科に配属され、治療法が確立されていない難病を持つ患者さんたちと接する機会が多かった藤田さん。この頃はヒトゲノム計画の全盛期で、彼女は自分が接している患者さんたちが抱える病気が、未来には治療法が確立される可能性があると感じました。そんな研究に携わりたいという強い願望が芽生え、分子生物学を勉強するため、働きながら東京大学理科二類に29歳で入学しました。
しかし、ここで藤田さんは壁にぶつかります。生物系の学部で研究を続けるには、経済的に独立することが難しいという現実。大学に進学したものの、また看護師に戻るのは納得がいかなかったと言います。そこで彼女は再び資格を取ることを検討し始め、その中で一番興味を引かれたのが公認会計士でした。
在学中から公認会計士の資格取得のために勉強を始め、大学4年生の時に資格を取得。そしてそのまま監査法人に入社しました。
藤田さん自身が笑いながら語る通り、「夢を追ってみようと思ったけれど、現実の厳しさを目の当たりにして、やっぱり現実主義に戻ってしまった」という経験を通じて、彼女のキャリアパスは大きく変わりました。
彼女のエピソードからは、自身のキャリアに対する柔軟性と、新しい挑戦への情熱が伝わってきます。そしてそれは看護師という仕事に対する彼女の姿勢とも合致しています。私たちは看護師の職務を通じて、日々新しい課題に直面し、それに対応するための解決策を見つけ出すことが求められます。そしてそれは、新たな資格を取得するという目標を追求する際にも同様です。
藤田さんの話を聞いて、看護師のキャリアは一つの職場や役割にとどまらない、ということを改めて実感します。看護師という資格は、その持ち主に多様なキャリアパスを開く鍵を与えてくれます。それは病院の中だけでなく、地域の保健、さらには会計士という全く異なるフィールドにも広がっていきます。
藤田さんの経験は、私たちが目指すべきキャリアの形が一つではないことを教えてくれます。そしてそれは、自分の可能性を広げるためには、挑戦し続けることが重要だというメッセージでもあります。
公認会計士という全く新しいフィールドに飛び込む決断をした藤田さんの話は、私たち全ての看護師にとって勇気づけられるものです。自分のキャリアに新たな可能性を見つけたいと考えている看護師の方々にとって、彼女の話はきっと大いなるインスピレーションとなるでしょう。